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2021年3月現在、新型コロナウィルスのワクチン接種はようやく始まりましたが、まだ感染拡大が治まったとはとても言えません。このコロナ禍の中で旅行することについて、海外の人はどう思っているのでしょうか？海外にも自粛警察はいるのでしょうか？
コロナ禍での旅行について、世界中を対象にアンケートを取ってみましたので、結果をお伝えします。
元々は、海外と日本で同じ内容のアンケートを取り、海外と日本の結果を比較する予定だったのですが、日本人の回答が想像以上に集まらず集計できる水準に達しなかったので、海外から集まった回答のみ集計ました。回答してくださった日本の方、申し訳ないです。もっと集客力を高めたいと思います。
アンケート概要
今回のアンケートは、以下の通り実施しました。
- 実施期間：2021年2月15日〜3月2日
- 実施方法：SurveyTandem.comにて回答を募集
- 対象者：海外在住者なら誰でも
- 回答者の主な居住国：アメリカ、イギリス、インドなど ※出身国ではなく居住国です。
- 回答数：72件
回答はSurveyTandem.comという海外のアンケートサイトを使ったのですが、イギリスのサービスのため回答者もイギリス在住者が一番多く26人、次いでアメリカ在住者が8人、インド在住者が7人でした。その他にはカナダ、オランダ、チェコなど欧米各国からの回答が集まりましたが、英語だったせいかインド以外のアジアからの回答はほとんどありませんでした。
アンケートは英語で行い、本記事向けに回答を和訳しました。
回答数は全て合わせても72件なので少ないですが、ある程度の傾向は分かるのではないかと思います。
それでは、集計結果を見てみましょう。
2021年はワクチン無しでも海外旅行したい人が最多！！
最初に、今年（2021年）海外旅行に行きたいか聞いてみました。すると、かなり意見が分かれたものの、驚いたことにワクチン無しでも海外旅行したいと答えた人が最多の34.7％でした。
2位は「行きたいが行くのはワクチン接種後」、3位は「いいえ。行かずに様子を見る」、続いて「まだ分からない」、最後が「その他」でした。
ワクチン無しでも海外旅行に行きたい人は人数にすると25人ですが、海外ではロックダウンなど日本よりずっと厳しい外出制限があるためか、我慢の限界に来ている人が多いということのようです。
それにしても、ワクチン無しでも旅行に行きたいなんて思っている人が日本になだれ込んだら大変なことになりそうですね・・・。この結果を受けて、2021年に日本に来たいと思っている人がどのくらいいるか急遽別のアンケートも取ってみました。これについては近日別の記事でまとめますので少々お待ちください。
海外からの観光客「今は歓迎しない」が最多
続いて、コロナ禍でインバウンド旅行者（海外からの観光客）を歓迎するかどうかについて聞いてみました。結果は、55.6％の40人が「普段は歓迎するが今は自分の国には来ないでほしい」と回答しました。次に多いのは「どちらでもない」、続いて「はい。海外からの観光客はいつでも歓迎」という結果になりました。
最初の質問でワクチン無しでも海外旅行したいと答えた人が最多だったのに、この質問では今は来てほしくないという回答が最多だったということは、「自分はワクチン無しでも海外に行くけど他の人は自分の国に来ないでほしい」という身勝手な人が多いということでしょうか😅
まあ、それだけみんな自粛でストレスが溜まっているのでしょう・・・。
ちなみに、ワクチン無しでも海外旅行に行きたいと答えた人の40％が「普段は歓迎するが今は自分の国には来ないでほしい」または「コロナ禍に関係なく海外の観光客は好きではない」と答えていました。
コロナ禍での旅行65％が「避けるべき」
次の質問は「コロナ禍における旅行についてどう思いますか？」です。国内外問わず、そもそも今旅行することについてどう思うか聞いてみました。
結果、やはりというべきか今は「旅行は避けるべきだが、緊急の旅行は仕方ない」という人が大多数の65.3％を占めました。しつこいようですが、今年ワクチン接種前でも海外旅行に行こうと思っている人は、きっと緊急なのでしょうね・・・。
2番目に多かったのが「きちんと感染対策をしていれば旅行しても問題ない」という意見でした。自家用車で人のいない大自然に行くのであれば問題ないといった考えかもしれません。日本の都市部ように公共の交通機関がないと移動が難しい場所以外ではこういう人も多いのかもしれませんね。
感染対策を取らなくても問題ないと答えた人はさすがに1人しかいませんでした。いかなる理由でも旅行すべきでないと答えた人も1人でした。意外と少ないですね。日本の回答ももっと見てみたかったです。
旅行を控えるべきなのは「感染拡大の要因になるから」が最多
上の質問で旅行は控えるべきと答えた人に対して、その理由を聞いてみました。結果は、「旅行が感染拡大の要因になるから」が一番多い47.9％でした。
この設問では、「旅行は実質制限されていてルールは守べきだから」という選択肢を設けましたが、これを選んだ人はさほど多くありませんでした。これを選択する人は、感染拡大を防ぐという本質的なことよりも社会のルールを重んじる人だということになると思いますが、ともすればルールを守らない人は裁かれるべきという考えは自粛警察予備軍にもなりかねないため、どの程度いるのか確認する目的で聞いてみました。もしかすると国によっても違う傾向があるのではないかと思いますが、国ごとの傾向が分かるほどの回答数が得られなかったので国ごとの分析は断念しました。
この設問では、上の質問で旅行すべきでないと答えた人以外は「その他」を選ぶようにお願いしているので、「その他」の回答が多くなっています。回答数は合計で72のはずですが、1足りない71になっているのは最初この質問を必須にしておらず答えなかった人がいるからです。
自分が自粛している時他人が旅行していると腹が立つ人は67％！
次に、自分が家で自粛している時に他人が旅行しているのを見ると腹が立つかどうか聞いてみました。その結果、程度の差はあれ「腹が立つ」と答えた人が合計で67.1％という非常に多い結果になりました。
中でも、非常に腹が立つと答えた人が31.4％で、腹が立つと答えた人の半数近くを占めました。
欧米には、人は人、自分は自分という考えの人が多いので、腹が立たないと答える人が多いのではないかと予想していましたが、案外腹が立つと答えた人が多く驚きました。それだけコロナ禍のストレスは大きいということでしょうか。
他の人が旅行したり外出したりしているのを見て激しく腹を立てる人は、そういう人に対して批判的、つまり自粛警察的になりかねないので、どの程度いるのか確かめるために聞いてみました。
他には、全く腹が立たないという寛容な人も13％近くいて興味深い結果となりました。
この設問は途中で追加したので、回答数が70と2足りない結果になっています。
「自国に自粛警察はいる」は36％も？！
最後に、自分が住んでいる国に自粛警察はいるか聞いてみました。海外には日本のような自粛警察はほとんどいないと思ったからです。
ところが、結果は意外にも36.1％の人が「自粛警察は自分の国にもたくさんいる」と答えました。
「自粛警察」の言葉の意味を本当に理解してもらえたか若干心配ではありますが、一応ちゃんと「自粛警察とは、家で自粛したりマスクを付けている人が、自分と同じように我慢しない他人に対して過度に批判的になったり時として暴力に訴えること」という英語の説明を付けたので、多分通じたと思います。なお、英語では自粛警察は “COVID vigilantes”（コロナ自警団）と呼ばれています。日本の英語メディアでは “self-restraint police” と日本語を直訳していますが、英語圏ではあまり使わない言い方ではないかと思います。英語でもCOVID vigilantes という言葉が存在するくらいなので、やはりある程度の数の自粛警察はいるということでしょうね。
少し脱線しましたが、自粛警察は自分の国にもたくさんいると答えた人のうち42％がイギリス居住者、19％がアメリカ、12％がカナダでした。母数が少ないですし、そもそも全体としてイギリスの回答が多かったので、イギリスに特に自粛警察が多いとは言えませんが、興味深い結果だと思います。
また、この設問で一番多かった回答としては、「自粛警察に関するニュースは聞いたことがあるが自分の国にはいない」が43.1％で、一番少ない「自分の国にはいない、または聞いたこともない」という人は20.8％でした。聞いたことがあるけど自分の国にはいないというのは、海外の話しか聞いたことがないということでしょうか。
日本では日々自粛警察が話題になっているので、日本からの回答が集まっていれば全く違う結果になっておもしろい比較ができたのではないかと思います。残念です。
まとめ：コロナ禍の自粛によるストレスは海外でも限界まで来ていることは明らか
以上が、コロナ禍の旅行に関する海外アンケートの結果でした。日本の結果と比較できなかったのは非常に残念ではありますが、海外だけでも興味深い結果にはなったのではないかと思います。
今回のアンケートで分かったのは、「自分はワクチン無しでも海外旅行に行くけど他の人には来てほしくない」と答える人が多いなど、皆もう我慢の限界に来ていて冷静さを失っているのではないかということです。また、海外にも自粛警察は多いという結果も興味深かったです。
当サイトでは、今後もその時の状況や情勢を反映した旅行関連アンケートを多く実施して結果を発表していく予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
現在は、Go To トラベルキャンペーンアンケートを実施しています。こちらも回答数が集まらないと集計できませんので、是非ご回答をお願いします。
