今年2016年、オリンパスからはTG-5は出ないらしく、代りにSTYLUS TG-Trackerというアクションカメラが出るらしいですね。
ということは、静止画カメラとしては今年もオリンパスはTG-4が現役となるわけです。そして去年彗星のごとく登場したニコンCOOLPIX AW130という、30メートル防水のコンパクトカメラ!2016年の夏は、この2機種が防水カメラの2強と言っても過言ではないと思います。
私はその両方を水中で使用したので、今回は両者をレビューします!
まずは、スペックの比較
簡単なスペック表を作ってみました。主なスペックだけ抜き出し、2機種で特に優れているところを青字、劣っているところを赤字にしてあります。
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TG-4
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AW-130
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有効画素数 |
1600万 |
1605万 |
撮像センサー |
1/2.3型CMOS |
1/2.3型原色CMOS |
レンズ構成 |
7群9枚 |
10群12枚 |
開放F値 |
2.0-4.9 |
2.8-4.9 |
ズーム倍率 |
光学4倍 |
光学5倍 |
撮影範囲 |
通常:0.1m~∞ (スーパーマクロ:0.01m~0.30m) |
通常:50cm~∞(マクロモードでは1cm~∞) |
静止画記録方式 |
JPEGなど多彩+RAW対応 |
JPEGのみ |
防水機能 |
水深15m |
水深30m |
大きさ |
111.5mm×65.9mm×31.2mm |
110.4×66.0×26.8mm |
重さ(撮影時) |
247g |
221g |
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明るいF値で定評のあるTGシリーズ。とは言っても一眼のようにボケるわけではないので、今のところAW130との違いを肌で感じたことはありません。一つ思ったのは、TG-4は暗いところでもどんなところでもビタっとピントが合うことが多いですが、AW130は買ってから1度パラオで使った限りではピントを合わせるのにかなり苦労しました。もしかしたらこれが明るさによる違いなのかも知れません。レンズが明るければ、その分暗い水中でもシャッター速度を遅くすることなく被写体を捕らえられますから、ブレにくくなりますね。一方暗いレンズだと、被写体を捕らえるためにシャッター速度を遅くするのでブレやすくなります。まあ、単純に使い慣れないカメラなので私の腕のせいだったのかも知れませんが。
これはTG-4に軍配が上がります。スーパーマクロモード(顕微鏡モードとも言う)で1cmまで近寄れるのはもちろんですが、マクロモードに設定していない通常時でも10cmまで近寄れるので、突然近くにいい被写体を見つけた時にいちいちマクロモードに切り替えなくてもスムーズに魚のアップが撮れます。
一方AW130は、マクロモードではTG-4と同じ1cmまで近寄れますが、通常時は50cmまでしか寄れないので、とっさに魚のアップを撮ろうとしてもマクロモードにしていなければボケてしまいます。マクロモードにするにはひと手間かかるので、その間にシャッターチャンスを逃す可能性もあると思います。
TG-4はRAWデータ形式に対応しています。これはどういうことかと言うと、ホワイトバランスなどの補正をしていない、CMOSセンサーで取り込んだままの状態の生の画像を保存できるということです。撮ったRAWは後で付属の専用ソフトで加工(現像)することができます。例えば、水中では水深が深くなればなるほど彩度が失われるので、陸上で見た時の色合いと大きく変わってしまうことがあります。これを手つかずのRAWに手を入れることで元の色を再現しやすくなるということですね。普通は一眼にしか付いていない機能なので、なくても困ることはないですが、あるとより楽しみが広がります。
これはもうAW130の圧勝です。水深30メートルで60分まで撮影できるとのことなので、ダイビングに最適です。一方、TG-4は15メートルまでなので、ダイビングにはほぼ使えませんね。その代わり、TG-4にはハウジングがあるので、スノーケリングでは裸のまま使い、ダイビングではハウジングを使ってもいいと思います。なお、AW130にはハウジングはないので30メートル以上潜る場合はちょっと心配ですね(私は33メートルまで潜っても一応大丈夫でしたが)。
気になる画質は?
TG-4とAW130で撮った水中写真をいくつかアップします。沖縄、パラオ、タヒチでダイビングや素潜りで撮った写真です。
※クリックでオリジナルサイズが見られます。TG-4の方は何故か水中でよく間違って画像サイズを変えてしまうので、ちょっとデフォルト設定とは違うと思います。
TG-4の方が長く使っているのでいい写真が多いのは当然なのですが、AW130より鮮やかにはっきり写っている写真が多いように思います。AW130はまだ1度しか使っていないので、もっといい写真が取れたら随時更新します。
撮影モードについて
どちらも水中モードの他に風景、ポートレート、夜景など多彩なモードがありますが、TG-4の方が数は多いです。また、TG-4には水中モードだけで5種類あり、正直あまり使いこなしていませんw私が使うのは水中ワイド1とマクロだけです。でも、たくさん設定があるのは魅力的ですね。
AW130は水中モードの設定方法が分かりづらく、正直1回目の撮影旅行(パラオ)ではうまく写真が撮れませんでした。水中モードにするにはシーンの中から普通の水中モードを選択するか、おまかせシーンに設定して水の中に入る方法がありますが、前者の設定が付属の説明書に書かれておらず、UIも私には分かりづらかったです。
右側真ん中の緑の「SCENE」ボタンを押すと出てくる画面は、デフォルトだとこんな感じなんですね↓
一番上からおまかせシーン、女の人、SOFT、顔、フィルム、カメラのマークが並んでいます。この女の人のアイコン(ポートレートモード)から他のシーン(水中モード)を選ぶことができるんですが、最初少し触った時は時間がなくてこれがシーンモードのアイコンということがよくわからず、シーンモードは一番上のおまかせシーンというやつしかないのかと思いました。実際には、シーンは一番上のおまかせシーンモードと二番目の普通のシーンモードの2種類あるんです。
しかも、このポートレートから普通の水中モードにたどり着くまで、たくさんあるシーンモードを3ページもスクロールしないといけないんですよね↓
やっと水中モードを見つけました。まあ、ポートレートモードから上ボタンを押せば一発なんですが、上ボタンで最後に行けない機種もあるので分かりませんでした。↓
防水カメラなんだから、水中モードをデフォルトにしてほしいものです。分かれば簡単なんですけど、説明書にもほとんどモードの説明が書かれていないので、最初は戸惑うかもしれません。
なお、おまかせシーンで水中モードにした場合(おまかせにした状態で水に入ると自動的に認識されます)、フラッシュの強制発光ができないのでご注意ください。かといってプログラムオート(一番下のカメラのマーク)にした場合はホワイトバランスが水中に最適化されずぼやけた色になるので、結局普通の水中モードにするのは必須です。普通の水中モードならフラッシュの強制発光もできます。
TG-4に関しては多彩な水中モードがあって切り替えもスムーズなので、撮影モードの選択に困ることはありませんでした。少なくとも私がUIで迷ったことは特にありません。
総評:画質はTG-4に軍配。防水機能はAW130が文句なしの30メートル。さあ、どっちにする?
以上のことから、画質とカメラとしての機能だけを見れば、TG-4の方が上かも知れません。もちろん、私はTG-4の方がかなり長く使っているのでまだまだAW130の魅力は理解し切れていない部分はありますが、スペック表だけを見てもTG-4の方が優れていそうな印象はあります。
しかし、ダイビングをするのであれば、面倒でかさばるハウジング無しでそのままポーンと水に放り込めるAW130は非常に魅力的です。TG-4は画質は良くてもそのままでは結局ダイビングには使えないわけですから、どちらにするかは好き好きでしょうね。
なお価格面では、2016年6月現在ではTG-4が36,000円程度、AW130が32,000円程度のようです。TG-4はアクションカメラ発売の影響か少し値段が下がりつつありますが、AW-130は夏に向けてどんどん上がっているようです(私が今年の4月に買った時は25,000円でした)。品切れ続出みたいだし、買うなら今ですよ~!
Nikon AW130の本体レビューはこちら↓
https://travel.goglobalist.com/nikon-aw130-diving/
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